技法について

1時間の面接のなかで、カウンセラーは専門的な知見に基づいた技法を用いてカウンセリングをします。ここではその一部を説明します。
そのひとそれぞれの問題や状態に応じて、臨床心理学的な観点に沿った対話技法を用いて話をしています。普通のおしゃべりや相談とはちょっと異なる、あなたのこころの整頓、回復のための時間です。

カウンセラーは、こころの専門家です。
いらっしゃった方が無理のないように、対応します。

お話ししたくないことは、話さないでもかまいません。

あなたがあなたらしく生きていくために・・

こころの苦痛や戸惑いから開放されるために・・

ひとりひとりにあわせてオーダーメイドのカウンセリングでこころの問題に丁寧に向き合います。

体験的対話技法 

従来のカウンセリングの考え方

体験的対話法では、「悲しい」とか「緊張する」、「怖い」など、その人の「思ってしまう思い」(一次意識)を変えようとすることはしません。むしろ、こういう思ってしまう一次意識は、できるだけ受け止めることしながら大事にして、そのご本人が自己受容ができるように傾聴します。この一次意識への受け止めと自己受容を促すことに主眼を置くのが従来のカウンセリングです。

しかし私たちの理論では、一次意識の受け止めや自己受容自体は治療的に重要ではあると認識していますが、受容自体に治療要因があるのではないと考えています。

 

二次意識は「つくる思い」

私たちの技法では、こういう「思ってしまう思い」の一次意識を自覚しながらも、同時に適応的な思い、つまり「~してみようか」「~なっていきたいな」という『つくる思い』『思ってみる思い』(二次意識)を意識する、自覚してみるということを、徐々に促していきます。普段私たちは、自分が生きていく過程で、どんな状況であっても、どんな環境であっても、適応的な思いや二次意識を自分自身に作り思うことによって、実際には何とかうまく適応し環境になじんだ行動や考え方、認識をしています。

しかし、心が不調になるということは、実際にはその人は適応的な思いを作ることができているのに、そのことを自分で気がつかない、もしくは、この二次意識自体を作れないという状態になるので、本人は、思ってしまう思いである「一次意識」ばかりに注意が過剰に向き過ぎてしまって、結果的に苦しくなるということが起きてしまうのです。         

 

何を思うかよりも、どのように思うかという『思い方』が大事

ただし、無理に二次意識を作ろう、意識しようとすると、特に精神的な病気のお持ちの方や、そもそも元来慣れていない人にとっては、とても心の負担になります。

したがって、単に「二次意識の内容を意識する」ということが大事なことではなく、私たちは、『その人にとって、二次意識をいかに自然で、無理がなく、なおかつ、それでもしっかりと思うことができるように』 ということにもっとも力点を置いています。実際に、二次意識の内容を思い込もうすることに注意が向き過ぎると、ほとんどの場合うまくいきません。むしろかえって心の状態が悪くなりますます苦しくなります。 しかし、なんとなく柔らかに、かつ「思ってしまう一次意識」をも消そうとせず、大切にして、二次意識をつぶやいてみると、そんなに気分は苦しまずにいられるでしょう。これは、「思い方」、「体験の仕方」といって、私たちが最も重視している治療要因です。(具体的な思い方の方法については、実際のカウンセリングでお話しします)

こうして、その人の一次意識の思いや思い方をじっくりと傾聴しながらも、二次意識をより自然に、極力負担が少ない思い方で思ってみることについて話し合うのが、私たちのカウンセリングのやり方です。

 

やっぱり大事なのは対話です。言葉です。

思い方、体験の仕方という治療要因を扱う技法は、古典では催眠技法あるいは自律訓練法、近年では動作療法などがあります。これらは、身体感覚、体感、動作上の体験に働きかけるセラピーです。私たちは、思い方、体験の仕方を、一貫して「対話のなか」で扱っていくことを大事にしています。自覚しにくい思い方を言葉によって意識化し、それを言葉で思うようにしてみる。

自然な対話、会話、そして言葉のなかにこそ、私たちがより自然に、よりいきいきと自分らしく生きていくための要があると考えています。

 

古くて新しい私たちの技法です。

私たちのこの理論は、「体験的対話」といいます。心理療法のなかでは新しい治療理論で、まだまだ小さいグループです。臨床心理学的な様々な既存の理論からみると、独特な技法のように思われるかもしれませんが、

私たちのこの治療理論は、臨床催眠技法や自律訓練法での暗示理論、体験の仕方論が源流になっています。ですから、実際には、古典的な心理療法のエッセンスが多分に含んだ理論とも言えるでしょう。

この技法は、自律訓練法を日本へ先駆的に導入し、臨床実践を続ける中で、自律訓練法を単なるリラクセーション法としてだけではなく、「その人の自身の思い」や「意識すること」がこころ全体にどのように作用していくのか、どのような態度で自分のこころの中に出てきてしまう「気持ち」にのぞめばよいのかいう点に注目し、そこから「体験の仕方論」、「意識体験治療論」へと発展させた河野心理教育研究所の所長である河野良和の理論を源流としています。大草正信(大草心理教育相談室)は、この理論を臨床的な技法として発展させ、心理療法として展開しています。
体験的対話法(体験的対話教育法)は研究され、今もなおより分かりやすく工夫、洗練され、躍動しつづけています。

 

ただし・・
「カウンセリング」とか「心理療法」という言葉を耳にすると、心の劇的な変化や著しい即効性を期待させてしまうかもしれません。
中にはこういった謳い文句を掲げているところもあるようですが、こちらのルームでは「劇的な心の変化」を促すようなセラピーは行っておりません。

むしろ「ゆっくりした変化」をあえて大事しています。

心やその人の「思い方」に急激な変化をもたらすようなことを施すと、大きな負担を課すことになってしまい、むしろ状態が悪くなることがあるからです。
あくまでもその人ペースの、その人が感じている自然な在りように沿って、対話を進めていきます。
結果的に見ればそれがもっとも効果的で、負担が少ないやり方だからです。

詳しくは、ブログのほうにも載せていますので、ご覧になってください。